■9月30日
朝から横浜市磯子区の中学校へご依頼頂いていた修理の納品に伺いました。
体育館にある古いピアノなので、かなり湿気の影響を受けてしまっていたため、
工房にて部品交換を行い、現地で取付・調整をします。
また、鍵盤を支えているキーピンやキャプスタンボタン(真鍮)も錆が酷かったため、工房で磨き上げて鍵盤調整もしました。鍵盤調整はタッチや音色に大きく関わりますので、大切な作業です。
ハンマーを弦に合わせ、音色を整えて完了です!
作業前と比べると鍵盤が明らかに軽くなり、とても快適に音が出せるようになりました。
響きも豊かになり、ヤマハらしい音になったかと思います。
こうやって写真で見るとグランドピアノが小さく感じますね。。。
さて、午後は東京都の大田区まで伺いました。
ピアノは以前のブログでもご紹介したイースタインピアノでした!
私が担当するのは今回初めてだったのですが、10年以上前に弊社で一度メンテナンスをしていました。
その時のメンテナンスで大体のピアノの状態はわかっていましたので、お客様も限界が近いということはわかっているとおっしゃっていました。
前の調律師からも説明があったそうですが、低音のチューニングピンが全体的にルーズピンになっているのです。ルーズピンというのは、調律の際に回すチューニングピンが緩みやすくなってしまっており、調律しても音程が合わない状態をいいます。長年にわたり湿気や乾燥の影響を交互に受けてしまうと、このような状態になりやすいです。
特にひどいピンが6本ほどあり、完全に半音くらい音程が下がってしまっている状態でした。
ただ、ルーズピンについてはお客様はわかっていらっしゃったのですが、今回はそれよりも優先しなければならなかったのは、音が出ない鍵盤が何本かあるということでした。
限界ということはわかっているけれども、お孫様のために何とか今回の調律の中で弾けるようにしてほしいというご要望だったのです。
湿気の影響により音が出なくなってしまっている状態の場合、本来であれば部品交換しなければなりません。
しかも色々と点検すると、全体的に部品を交換する必要がありました。
ピアノの状態を考えると内部の錆落とし、鍵盤の調整、アクションの部品交換、ルーズピンの修理を主にやるのが普通なのですが、それをご説明した上で今回はお客様のご要望により応急的に直す方法と取らせて頂きました。
3時間程作業し、できる限りやってみた結果、イースタインらしいダイナミックな音色が復活しました・・・!
やはりもともとは良い楽器なので、とんでもなく良い音です。
不具合の原因が全て明らかですので、きちんと修理するお見積りもさせて頂くことになりました。
ちょうど製造されてから50年経過していますが、今では珍しい象牙鍵盤ですし、限界が来るまでピアノを使って頂きたいと思います。
このイースタインアクションも見た目が好きなんです。
さて、お見積りさせて頂くために明日はお見積書と修理の説明文も作成する予定です。
台風がちょっと心配ですね・・・何事もなく過ぎ去ってくれることを祈ります。
しばらくメンテナンスしていない・・・、これからピアノを使いたい!
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