■7月22日
最近の日本は湿度が高すぎてピアノにとっては大変な環境になっていますね。
一年間とても良い環境にあり、ほとんど音が狂わないピアノももちろんあるのですが、ここ最近は冬と夏の湿度変化がありすぎて音が狂っているピアノが増えてきています。
また、音の狂いだけでなく、接着剥がれや部品の不具合などが多くなっています。これは日本に普及しているピアノ自体が古くなっているということもありますが、やはり昔と比べても夏の気温は高くなっているし、夜も熱帯夜が続いていることが原因だと思います。特に雨の日の湿度がとても高いです。
そして冬になれば床暖房などで一気に乾燥させてしまうため、調律の狂いだけでなくネジの緩み、響板割れによる雑音が多発しています。
調律師は1年間お客様が快適にピアノを弾けるようにメンテナンスをしていますが、やはりお部屋の環境を整えてあげることも重要ですので、ピアノのためにも何とか1年間45%~60%の湿度を何とか保てるようにお願い致します。
日本の名職人が作り上げたピアノ
今回はDIAPASON(ディアパソン)、OHHASHI(オオハシ)というピアノについて書きたいと思います。
以前ブログにてご紹介しましたEASTEIN(イースタイン)というピアノに引き続き、調律師である私にとって魅力的なピアノブランドです。
日本の有名なピアノ職人に大橋幡岩(1896年~1980年)という人物がいます。
調律師では知らない人はいないと思いますが、OHHASHIやDIAPASONのブランドを作り上げました。
特にOHHASHIのブランドは現在中古ピアノとしての価値が上がっており、大変人気が出ています。
ちなみにイースタインの設計なども手掛けた人物に杵淵直都という有名な調律師がいますが、大橋幡岩とも親交があったそうで、杵淵からの助言もありOHHASHIというネーミングにしたそうです。
幡岩は理想的なピアノを作り上げるため、量産はせず自社での手作りにこだわったことで、生産台数は少ないものの、今後も名前が残るブランドとなったのです。
大橋幡岩について詳しく知りたい方は、こちらの本を読んでみて下さいね。
OHHASHI、DIAPASONの魅力
OHHASHIについては本当に幻といって良いほど、一般のご家庭ではほとんど見かけません。
以前、とある公共施設に置いてあったOHHASHIを修理して納めたことがありますが、それはもう素晴らしい音色になり、感動した覚えがあります。これは実際にその音を聞いてみなければわからないことですし、テレビやCDなどで流れている音とは全く別物です。
コンサートホールでもヤマハかスタインウェイなどが殆どですので、それとはまた違う幡岩がこだわった手作りピアノにしか出せない音色が・響きがあるのです。
DIAPASONは製造されていた期間が長く(現在でもKAWAIにて製造中)、OHHASHIよりも多く見かけますが、人気があるのは幡岩が手掛けていたモデルです。
こちらは一般のご家庭でも見かけますし、毎年メンテナンスもしておりますが、かなり個体差があります。
例えば大量生産であるヤマハ・カワイの魅力的なところは、丈夫で不具合が出にくく、修理がとてもしやすい、どのピアノを選んでも大体は同じように仕上がることです。
これはピアノレッスンをされる方や、教室の先生にとっても本当に安心ですし、今でも全国的に人気がある理由ではないでしょうか。
今、弊社の工房には修理のご依頼が入ったDIAPASONのアクションがあります。
DIAPASONは置いてある環境、使用頻度、メンテナンスの頻度によってもかなり状態が変わってしまいますが、今回のDIAPASONは長年のブランクがあったことと、湿気の多い環境に置いてあったためにカビが発生し、部品交換が必要な状態でした。
しかし、大橋幡岩モデルですので、彼がこだわったネジの1本までしっかり見直して、最高の状態に直して納品したいと思っています。このピアノを直したいという気持ちは人一倍強い私ですので、精一杯やりたいと考えています。
良い音のするピアノは本当に繊細でメンテナンスが欠かせませんが、古いピアノだからといって諦めず、
是非一度調律師にご相談下さいませ!
しばらくメンテナンスしていない・・・、これからピアノを使いたい!
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