イースタインのメンテナンスが増えています

■4月29日

ここのところ、以前ブログに書かせて頂いたイースタインピアノの記事をご覧になったお客様からの調律・修理のご依頼が増えております。

イースタインが好きでたまらない私にとっては、大変ありがたいことです・・・!

そのため、会社の工房ではイースタインの修理が続いておりましたので、一部修理の内容をご紹介致します。

弊社にご依頼を頂くお客様のピアノは、長年メンテナンスしていなかったけどこれから使いたい・・・という

パターンが多いです。メンテナンスしていない期間が長くなればなるほど、ピアノは痛んでしまいますので、

お使いになる予定があるのなら早めにご連絡をお待ちしております。

 

なぜなら・・・

■楽器は木材・フェルトなどの天然素材でできている

・ピアノは湿気や過乾燥など急激な温度、湿度変化に弱い

・長年調律をしないと弦張力のバランスが悪くなり、本体の木材に負担が掛かる

・埃やゴミが溜まり、虫食いなど虫害の原因になる

などが挙げられます。

 

特にこのイースタインはヨーロッパのピアノをモデルにしており、音にこだわって作られたために

湿気・乾燥には非常に弱いです。

今回のピアノもアクション部品であるハンマー・ジャック・ウィッペン・ダンパーの関節にあたるセンターピンを交換しなければ音がきちんと出せない状態でした。

88本×4列の部品を外して、部品を交換致しました。

そして、今回非常に厄介だったのは、製造されてから60年くらい経過しているピアノということもあり、スクリューが錆びて固着してしまい、レギュレーティングスクリューという部品が回せず折れているということです。

この部品が回せないと、ピアノにとって重要なレットオフの調整ができなくなってしまいますので、

熱で温めて何とか外して、新しいスクリューに交換しました。

↓  無理に回そうとするとこのように真っ二つに折れてしまいます。

 

ブライドルテープ交換という革の部品もボロボロに朽ちてしまっているので、

全て新しい部品に交換しました。

 

イースタインのアクションは大型ですが、作られている年代で微妙に見た目が違い、

カッコいいです!

ブライドルテープを交換したことで60年前のピアノとは思えないほど綺麗になりました。

ブラケットという、アクション全体を支えている左右の金属も磨いてあげると鏡のように艶が出るので磨いてあげました。

 

そして、先日アクションを納品して、取付・調整・調律に伺いましたが、

イースタインらしい、ダイナミックな中・低音の響き、高音はキラキラした音色になり、個人的に大満足の仕上がりでした。コロナ禍でテレワークをされているお客様ですが、これからお弾きになる予定のようです。

今後は修理をした私が責任をもってメンテナンスに伺いますので、どうぞよろしくお願い致します。

 


しばらくメンテナンスしていない・・・、これからピアノを使いたい!
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